「肩を治してもらったら、
今度は腰が気になりだして」——

施術のあとで、
こんなふうにおっしゃる方がいます。

これ、実はとても自然なことなんです。

人の体は不思議なもので、
“一番痛いところ”しか感じ取れないように
できています。

痛みがいくつかあっても、
一番強いものだけが前に出てきて、
二番目、三番目は、その陰に隠れている。

だから、一番の痛みが取れると、
隠れていた次の痛みが
顔を出してくる
ことがあるのです。

これは悪化ではありません。
むしろ、
今まで気づけなかった場所に、
やっと気づけたサイン

体が良い方向に動き出した証拠でもあります。

なぜ、こんなしくみなのか。

たとえば災害のとき、
転んで足をすりむいていても、
痛みを忘れて逃げられますよね。
いざという時に動けるように
体は「一番大事な痛み」だけに
集中できるようになっている——
そう考えると、
よくできた仕組みだなと思います。

便利なようで、少し怖い。
それが私たちの体です。

ですから、
「治したのに別のところが痛い」
と気を落とさないでください。

一つずつ、順番に。
体の声を聞きながら、
ゆっくり整えていきましょう。

小川