「設定は二十五度。
風もいちばん弱くしてる。
それでも私だけ、寒い」

先日、患者さんから
こんな話を伺いました。

ご家族三人は「暑い」と言う。
自分ひとりだけ
足首がキンキンに冷えている
みんなが暑いと言っているのに
「下げないで」とも言えなくて、
結局ずっと我慢している——

我慢が足りないのではありません
同じ部屋にいても、
感じている暑さは人によって
本当に違います


筋肉の量、血のめぐり、
その日の疲れ具合。
体が熱を作る力も、
熱を逃がす力も、人それぞれです。

特に、筋肉量が少ない方ほど
体の中で熱を作りにくく、
冷えを強く感じます

お子さんは体温が高く、
動き回っているので
なおさら「暑い」となる。

温度設定ひとつで
全員を満足させるのは、
そもそも無理な話
なんです。

現実的な答えは「一枚羽織る」
身も蓋もない話ですが、
寒いと感じる人が
一枚羽織るのがいちばん早い
です。
温度をめぐって話し合うより、
上着やひざ掛けを
一枚置いておくほうが、
家族みんなが平和に過ごせます。

ただし、我慢はしないでください
ここが大事なところです。

「私が我慢すればいい」と
冷えを抱えたままでいると、
血のめぐりが悪くなります
体は縮こまり、筋肉は硬くなり、
それ自体が肩こりや腰痛、
夏の頭痛の引き金になります。

特に足首は要注意です。
冷たい空気は下にたまるので、
足元は思っている以上に
冷えています。

靴下でも、レッグウォーマーでも、
ひざ掛けでもかまいません。
足首を隠すものを
ひとつ置いておいてください。

それだけで、夏の終わりの体が
だいぶ違ってきます。

「暑い」も「寒い」も、
どちらも体からの正直な声です。
どちらかを我慢させるのではなく、
それぞれが調節できるように
してあげてくださいね。

小川