前回、
「遅くなるほど辛くなる」という話を
書かせていただきました。

今回はその続きで、
実際にいま
ご家族を支えている方に向けた話です。

親御さんのこと、
お子さんのこと、
仕事のこと。
それが同時に来ている方が、
本当に多いと感じています。

「疲れちゃダメだ」が、いちばん危ない
支えている方から、
こういう話をよく聞きます。

——体をほぐそうと思って、
少し動いてみた。
そうしたら、すごく疲れてしまった。
でも帰ったら家のことをやらなきゃいけない。
だから、疲れている場合じゃない。
疲れちゃダメだ。

そうなると、どうなるか。
動かなくなります。
そして動かないから、
どんどん動けなくなっていきます。

自分のために少し動くことが、
「家族に迷惑をかけること」に
なってしまっているんですね。

気持ちは、痛いほど分かります。
でも、これは順番が逆なんです。

支える側が倒れたら、元も子もありません
ご家族のことで動き回っていると、
自分の体のことは
どうしても後回しになります。
自分のことは、
いつでもできると思ってしまう。

でも、
支えている方が動けなくなった時に、
一番困るのはご家族です。

ご自身のケアは、
わがままではありません。
支え続けるための、
いちばん現実的な準備です。

心の疲れと、体の硬さは連動します
長く通ってくださっている方を見ていると、
はっきり波があります。
「すごく大変な状態だな」という時期と、
「調子いいじゃん」という時期。

そして困ったことに、
その波は、心と体で一緒に来ます。

親のこと、子どものこと、仕事のこと——
悩みが重なっている時期は、
体も同じように固まってきます。
逆に、体がほぐれてくると、
不思議と気持ちにも隙間ができてきます。

「最近よく眠れない」
「体が重い」
「肩がどうしても抜けない」

そう感じたら、
それは体だけの話ではないかもしれません。
心の側の重しも、
一緒に見直すサインだと思ってください。

固まりきると、自分では緩められません
背中や背骨の動きが悪くなってくると、
自分でストレッチをしようにも、
緩める余裕そのものがなくなります。
伸ばそうとしても伸びない。
どこを伸ばせばいいかも分からない。

そうなる前に、
そしてもし固まってしまっていたら、
人の手で動かして
可動域を取り戻してあげることが必要です。

私も、
皆さんの生活を丸ごと
サポートできるわけではありません。
勝手なことを言うようですが、
大変な時期こそ、
施術の間隔を少し詰める。

湯船に浸かる。
ほんの少し背筋を伸ばす。

そうやって
「自分を整える時間」を
意識的に確保していただきたいんです。
小さくて構いません。

一人で抱えないこと
もう一つだけ。

ご家族のことは、
気づいた人が一人で引き受けてしまいがちです。
そして、
一番動いている人ほど
きつく当たられたりします。
たまに顔を出す人には優しかったりする。
よく聞く話です。

理不尽ですよね。
でも、それが起きるということは
覚えておいてほしいんです。
「自分のやり方が悪いのかな」と
抱え込まないために。

できるなら、
ご兄弟やご家族全員で話せる場を作ってください。
一人に負担が寄っている状態は、
その人の体に出ます。
必ず出ます。

そして、もしあなたが
支えられている側、
あるいは近くで見ている側なら——
「ありがとう」のひと言を、
言ってあげてください。


それだけで、
支えている人の体は
ずいぶん軽くなります。
これは本当です。

前回と今回、
少し長い話にお付き合いいただき
ありがとうございました。

早めに備えることも、
支える自分を整えることも、
結局は同じことだと思っています。

後回しにするほど、重くなる。
それは体も、家族のことも同じでした。

お疲れが溜まっている方は、
どうぞ無理をなさらず、
早めにいらしてくださいね。

小川